00127 技法としての「対話」
 

 近代社会、とりわけ近代産業社会の特色は、与える側(供給サイド)と、受ける側(需要サイド)が、はっきりと別れていたことでした。売り手と買い手、造り手と使い手、自治体と市民、教師と学生、芸術家と鑑賞者、医師と患者など、というようにです。

 これに対して、現代社会の特徴は、こうした素朴な2分化や2極化が終わり、一方的な説得、情報発信、商品生産と販売促進(売り込み)が、かつてほどの有効性を失いつつあることです。代わって技法としての「対話」が、あらためて重要視されるようになってきました。立場の異なる者同士が目線をあわせ、相互に関わりあい、より望ましい結果や効果、そして予期せざる新たな成果を生み出そうとするアプローチです。

 今日では、対話なき意思決定プロセスは、需要サイドから大きな不満と反発を招くケースが、さまざまな場面で見られるようになりました。これはビジネスはもちろん、医療や行政なども含め、現場や自他関係をもつ領域でとくに言えることです。(↓)


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