00106 2人のイノベーター vol.1
 

 以下に示すのは、1つの業界に2人のイノベーターがいてもいい、という話です。かつて、カフェというより喫茶店と呼ばれていた時代、これは魅力のない業界の典型例として語られていました。

 この世界に、いまから約35年前「ドトール」が業界のルールを破って登場します。それまで350円が相場のコーヒーを160円で提供し、入口を広くした明るい店内で、アルバイトがボタンを押すと7秒ほどでコーヒーが出るようにしました。

 それまでこの業界は、会社を辞めた(脱サラ)男性が自分の好きな音楽をかけながら、お客が入ってきてもニコリともせず、5分も10分もかけて凝りに凝ったコーヒーを出す。多様性の時代にはそれでも構わないのですが、とにかくそれとは180度ちがう店を、ドトールは出店していきます。

 そしてドトールに遅れること15年、そこに登場したのがスターバックスです。彼らは彼らで、ドトールとは違う考えで展開していきます(価格帯、デザイン、抽出時間、ネーミングetc.)。この魅力のない業界においてさえ、他社と違うことをすると、ここまで需要をつくりあげることができるということを示す一例です。特異性(singularity)の発揮・奨励がカギになります。


関連情報:
       ◉ Starbucks 第1号店の発想 (ARCHIPELAGOs 00103)
       ◉ 需要イノヴェーション (ARCHIPELAGOs 00006)
       ◉ 2人のイノベーター vol.2 (ARCHIPELAGOs 00107)

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