00119 需要創造の分岐点
 

 そもそもIBMがコンピュータをつくりだした理由のひとつが、ワトスン( IBM初代社長 )の天文好きにありました。IBM社のコンピュータが最初にマジソン・アヴェニューで公開されたとき、そのデモンストレーションは月の満ち欠けに関する計算でした。ところが、やがてビジネス界が、科学上の偉業ではなく、いうなればもっと世俗的な事柄、たとえば給与計算にコンピューターを使い始めます。当時、もっとも開発が進んでいたのがユニバック社でした。

 しかしユニバックは、自社の製品が科学の偉業達成ではなく、給与計算に用いられることを嫌います。反対に、天文好きを動機として出発したにもかかわらず、ビジネス界の新時代の需要に応えたのがIBMでした。こういった判断のひとつひとつが、かつて存在した企業(ユニバック)と今日も存在する企業(IBM)の分岐点となっていきます。


関連情報:
       ◉ 2人のイノベーター vol.1 (ARCHIPELAGOs 00106)
       ◉ 2人のイノベーター vol.2 (ARCHIPELAGOs 00107)

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