00061 市場主義とボランタリー経済
 

 自由市場主義——。これについては利点もありますが、最近では批判も少なくありません。はっきりと「市場主義の終焉」を唱える論者もいるほどです。その関連で、自然環境問題、格差や不平等にかかわる問題、非経済的価値の軽視、人間存在への無関心など、数多くの課題点が指摘されてきました。

 しかしその一方、ソーシャル・メディア以降の世界では、市場によらない需要創造が、すでに行われています。それは、しばしば「ボランタリー経済」と呼ばれることもあります。シェアウェアやグループウェアなどをつくっている人たちは、みんなでコラボレーションをしながら、じつにいろいろなソフトウェアを開発しています。使わせていただいたから、対価を支払うというスタイルですが、つくる側も、収益を最大化して、ひたすらお金もうけをするためというより、「仲間内での評価」「楽しいから」「自己表現のひとつ」「世界で一番最初」「地域や世の中を変える」といったことが、活動の原動力になっているケースが多く見られます。


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