「マーケティング」の新しい考え方
ピーター・ドラッカー(Peter F. Drucker)は、かつて、「マーケティングの目的は、販売(努力)を不要にすることだ」と語ったことがあります。衝撃的な卓見です。しかし、マーケティングは、しばしば営業・販売と混同され、宣伝広告と同一視されてきました。誤解にほかなりません。「マーケティング」とは、端的にいえば、課題解決と価値創造に向けた「関係づくりの社会的作法」を意味しています。まず、原義を確かめてみたいと思います。

“ Market + ing ” は、文字どおり「いち づくり」を指しています。昔、村や町、そして都市には、人びとの集まってくる「広場」がありました。そこでは、政治家が演説し、宗教家が説教し、哲学者が語り、芸人たちや軽業師が人びとを驚かせ、楽しませていました。そのなかに、たまたま「モノ売り」がおり、「食べもの売り」もいました。もともと「いち」は、異質な人びとが出会い、共に語り楽しみ、情報を交換し、新しい価値を生み出し、伝え、文化をつくりだす時と場でした。一義的に「物品販売の場」であったわけではありません。なにより「新しい経験と物語をうみだす、対話と創造の場」であり、「新しい関係をつくりだす場」でした。→GO

 

 
 
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